インプラント治療とは、歯を失ったところの顎の骨に人工歯根を埋め込み、それを支えとして歯を蘇らせる治療法です。
インプラントには、もともと医学用語で「植立する」という意味があります。インプラントは、噛む力や耐久性が天然の歯に近く、日々の歯磨きを通常よりていねいにするだけで、自然の歯と同じように使えることから、「第二の永久歯」といわれています。
インプラントなら第二の自分の歯を再生させることができ、咬んだ感触も戻り、違和感なくしっかり咬むことが出来ます。一方、「治療期間がかかる」、「外科的な処置が必要」、「費用がかかる」などといった欠点もあります。
インプラントの素材はチタンでできています。
ところでインプラントは何故チタンでできているのでしょうか?
チタンは骨の拒絶反応がなく、チタンの周囲に出来た酸素膜が骨と結合します。 この膜がチタンを包んでいるのでチタンが体に流出することはありません。
歯を失ってしまった時の治療方法はいくつかありますが、ここではそれぞれの治療法のメリットとデメリットをご紹介します。
インプラント ![]() |
ブリッジ ![]() |
入れ歯 ![]() |
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最大咬合力 | 35~40kg | 21~25kg | 10~12kg |
治療方法 | 抜けた歯の位置(骨の中に)に人工歯根(インプラント)を埋め込む(手術)。 | 健康な隣接歯を削り、抜けた部分の歯1つを中心に人工歯の固まりを作り、歯が抜けた部分を埋める。 | 歯肉の型を取った後、固定化された歯と歯列で作られる。 |
歯の損傷 |
損傷なし | 健康な歯を削る為、損傷を与える。 | 持続的に顎の骨が吸収される。 |
治療・維持期間(寿命) |
3ヶ月~6ヶ月程度(半永久的) | 1ヶ月未満(5~10年周期に交換) | 1ヶ月~3ヶ月(3~4年周期に修理・交換) |
治療費用 |
初期費用は高いが寿命が長いため経済的である。 | 保険外 | 保険適用の有無があります。材質により費用は異なります。 |
噛む力(咀嚼力) |
顎の骨を健康な状態で維持し、天然歯とほぼ同じような咀嚼力を発揮。 | 歯根が無い為、歯の周囲の骨に負担がかかり、噛む力が弱くて徐々に低下する。 | 硬いものや粘りのあるものは食べにくい。総入れ歯の場合は、咬む力がとても弱い。 |
歯科用CTで撮影された画像データをパソコン上で確認し、インプラント手術のシミュレーションを行います。シミュレーションを行うことにより、より正確に顎の骨の状態を知ることができます。
コンピューターシミュレーションでの治療計画データを基に作製される、サージカルガイドを使用し治療を行います。これは患者様のお口に合う形をしており、インプラントを埋入する理想的な位置にガイド用の穴が開いているため、手術の際に患者様のお口に装着していただくことで、シミュレーションどおりの位置、方向にインプラントを埋入することが可能です。
※患者様の口腔内状況、インプラントの術前診断によって差が出るため先生とご相談ください。
「OneGuide System」は、より適切なインプラント手術を行うために導入しているシステムであり、「OneGuide」(=「One Guide
テンプレート」)という歯科技工物と「OneGuideキット」という一般医療機器・歯科用インプラント手術器具を使います。
「OneGuide
System」を導入してインプラント手術を行うことで、より良い治療結果へと導くことができますが、リスク・副作用がないわけではないので、下記の「インプラント治療のリスク・副作用」をよくご理解いただいたうえで治療を受けていただくことが大切です。
右上 6番7番にインプラントを埋入した患者様です。
(所要時間:17分)
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顎の骨にインプラントを埋入する穴を開けます。 |
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インプラントを埋入します。 |
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インプラントにヒーリングキャップを装着し、手術は終了です。 |
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インプラント埋入(フラップレス)手術当日は出血もほぼなく短時間で手術は終了します。
翌日も出血・痛みはほぼ出ませんので安心して手術を受けていただけます。(個人差あり)
手術から約2か月後にはジルコニアクラウンが装着され、しっかり噛めるようになります。
治療名称 | インプラント埋入手術・ソケットリフト |
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費用(税込) 〈内訳〉 |
¥1.155.000- ワンガイド ¥55.000 インプラント埋入手術 ¥440.000×2本分 ソケットリフト術 ¥110.000×2本分(同日に行いました) |
患者の主訴 | 欠損部の相談で当院へ |
リスクと副作用 | インプラントページの インプラントのリスク・副作用 をご覧ください。 |
治療期間 | 令和3年10月〜令和3年12月17日 |
令和3年に左上の前歯に違和感があると来院された患者様ですが、歯根が感染しており嚢胞があった為抜歯を行いました。
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令和3年3月時点の口腔内写真 |
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抜歯の1か月後に骨造成手術を行いました。 |
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骨の吸収が起こっている部分に人工骨をいれます。 |
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骨造成手術から半年後、治癒期間を経てインプラント埋入手術を行いました。 |
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インプラント手術当日にカスタムアバットメント、 |
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インプラント上部構造装着 |
カスタムアバットメント…個々の症例に合わせて製作されたアバットメント
プロビジョナル…仮の歯
治療名称 | インプラント埋入手術 骨造成手術 |
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費用(税込) 〈内訳〉 |
¥597.300- 骨造成手術 ¥110.000 インプラント埋入手術 ¥440.000 ワンガイド ¥44.000 プロビジョナル ¥3.300 |
患者の主訴 | 左上前歯部、歯肉の腫れ・違和感 |
リスクと副作用 | インプラントページの インプラントのリスク・副作用 をご覧ください。 |
治療期間 | 令和3年3月15日(抜歯)~令和4年10月 |
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令和4年1月 検診で来院された患者様です。 |
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右下1番をX-rayで撮影するとむし歯が起こっているのと同時に内部吸収が認められます。 |
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令和4年2月抜歯を行いました。 |
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右下1番にインプラント埋入後、骨が少ないところに骨造成手術を行いました。 |
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術部に*吸収性メンブレンをかぶせ、縫合します。
*コラーゲンで出来ており骨補填材を歯肉のかわりに保護してくれます。 |
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こちらは翌日の写真です。 |
今回定期健診の期間が空いてしまい、抜歯をする結果になりましたが
もし通常通りに来院していれば早期発見で治療を行い抜歯は防げたのかもしれません。
定期健診は歯のお掃除だけでなく歯の状態の変化や虫歯のチェックも徹底的に行っております。
普段の検診がいかに大切だという事が分かる症例です。
治療名称 | インプラント埋入手術・骨造成手術 |
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主訴 | 歯周病の進行により外部吸収・むし歯による内部吸収 |
リスクと副作用 | インプラントページの インプラントのリスク・副作用 をご覧ください。 |
費用(税込) 〈内訳〉 |
¥770,000 (内訳) インプラント埋入手術 ¥440.000 骨造成手術 ¥110.000(2本分) ワンガイド ¥44.000 ポンティック ¥165.000 仮歯 ¥10.000(2本分) |
治療期間 | 令和4年2月~令和4年10月 |
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令和3年11月検診で来院された患者様ですがこの時に左上1番歯がぐらついていた為(動揺度Ⅱ) |
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令和4年1月 動揺が続いていたので上部構造を除去。 |
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左の写真は別の患者様のファイバーコア装着時の写真です。 |
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令和4年2月 (*一切骨を傷つける事無く、特殊な器具で抜歯) |
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同日にインプラント埋入手術と骨が少ないところに骨造成手術を行いました。 |
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手術終了後、手術部位に仮歯を装着。 |
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インプラント上部構造装着 |
治療名称 | インプラント埋入手術・骨造成手術 |
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主訴 | むし歯による歯の破折 |
リスクと副作用 | インプラントページの インプラントのリスク・副作用 をご覧ください。 |
費用(税込) 〈内訳〉 |
¥599,500 (内訳) インプラント埋入手術 ¥440.000 骨造成手術 ¥110.000 ワンガイド ¥44.000 仮歯 ¥55.000 |
治療期間 | 令和4年2月~令和4年10月 |
重度の歯周病や虫歯、噛み合わせの合わない入れ歯の長期期間の使用、あるいは事故などなんらかの理由で衰えてしまった歯槽骨(歯を支えている骨)や顎骨に、人工骨補填材移植することで、骨組織の再生・修復をうながす再生医療です。
歯槽骨や顎骨に十分な骨幅や骨量が不足しているため、現在の状態ではインプラントを埋入できない方に用いられる治療です。
上あごには上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれる部分があります。
ソケットリフト術とは、その上顎洞粘膜を持ち上げて、骨補填材料を入れる手術です。
インプラント治療は、最低10mm以上は骨の高さがなければ適用できません。
ソケットリフトは、骨の高さが10mm以下であるためインプラント治療を受けられない人を対象にした治療方法です。それらの人に骨補填材料を入れることで、インプラント治療を受けることができるようにするための方法です。
サイナスリフトとは、顎の骨の上顎洞と呼ばれる部分の厚みを補う手術です。顎の骨の厚みが3~5mmよりも薄い場合や、多数の歯が欠損している場合に適応されます。
平成15年5月にサイナスリフトとインプラント埋入手術をした患者様です。
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左上3本が手術部位です。 |
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上あごの横側の骨を削り、そこから膜(シュナイダー膜)を持ち上げて骨を入れるスペースを作ります。 |
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スペース内に人工骨を入れます。 |
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自家骨移植を行います。縫合し、手術は終了です。 |
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手術から約1週間経過した口腔内写真です。 |
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令和3年6月時点のパノラマ写真です。 |
治療名称 | サイナスリフト術 |
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費用(税込) | ¥0 (当時) (現在¥330.000-) |
患者の主訴や症状 | 抜歯をした部位の骨がなくなってしまいインプラント埋入手術が困難な状態 |
リスクと副作用 | 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合は1週間ほどで治ります。 手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。 また、顎。鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。 止血を確認し帰宅していただきますが、術後鼻出血がする場合があります。 |
治療期間 | 約6ヶ月 |
ソケットリフトとの違い
サイナスリフトとソケットリフトは、どちらも顎の厚みが不足している際に行う手術です。サイナスリフトは、歯が生えていた部分の側面の歯茎からアプローチするのに対して、ソケットリフトは歯の生えていた部分からアプローチします。また、サイナスリフトは骨の厚みが3~5mmよりさらに少ない場合も適応ですが、ソケットリフトは骨の厚みが3~5mm以上ない場合は治療できません。
当院では安心の10年保証を設けており、インプラントのメンテナンスや予防プログラムに基づいた、長期的なアフターケアを実施しております。